以前から問題視されてきましたが、2020年のアメリカ大統領選を経て、フェイクニュースの問題が社会全体で表面化してきました。
わたしはなんだかんだで10年近くインターネットで情報発信や作品発表を続けていますが、今がいちばん悪い状況に思えます。
そこでこの記事には、自分の経験から言える「フェイクニュースに騙されない方法」をシェアします。
わたしはブロガーですから「ネットは怖いもの!」と世間で断定されるのはツラいのです…。
少しでも楽しいインターネットを取り戻せるように「こんな風に使うと良いよ」という知恵を共有したいと思います。
プラットフォームを避けて、情報源に直接アクセスする
フェイクニュース対策として、シンプルかつ強力なのがそもそも「フェイクニュースが生まれる場所」を避けること。
フェイクニュースが生まれる場所とは、
- SNS
- YouTube
- まとめサイト
ですね。
まずはこれらがどうやってフェイクニュースを育んでいるか、そのメカニズムを知ることが重要です。
YouTubeとまとめサイトは、アクセスさえ増やせばお金を生んでしまうシステムが存在しています。
ですからどうしても「アクセスのためならなりふりかまわない!」という力学が働いてしまうのですね。
彼らがフェイクニュースを作成する原動力は収益です。
「過激系YouTuber」が後を絶たないのと同じ理由ですね。
また、まとめサイトはそれが「悪質なまとめサイトか否か」を見極めるのが難しい。
紙媒体なら、メディアを見分けるのは簡単ですよね?
それが文芸誌なのか、ファッション雑誌なのか、はたまたゴシップ週刊誌なのかすぐに見分けがつきます。
たぶん紙なら「週刊大衆」と「Number」を取り違える人はいないでしょう。
ところがネットメディアだと、ヘッダーにそれらしいカッコいいロゴがあればなにか権威あるマジメなメディアに見えてしまいます。
Yahoo!ニュースやスマートニュースなどニュースアプリを使用すれば、さらに「メディアの顔」はわかりにくくなる。
ゴシップ新聞として世間一般に認識されている「東スポ」の記事でさえ、ウェブ版になると大学教授のような権威ある人が嬉々として拡散している現状があります。
このようなウェブメディア(まとめサイト)の特徴がフェイクニュースの拡散に寄与しています。
SNSは、お金はもちろんですがそこに参加するユーザーの承認欲求が大きな原動力になっていると思われます。
そもそもSNSは人の承認欲求をたきつけるシステムを搭載しているので、なかなかやめられないし、やめさせないように運営側も日々改良しているわけです。
ですから、「拡散される快感」「いいね!を押してもらう安心感」「フォロワーが増える興奮」が最優先事項になり、その内容がフェイクニュースだとか陰謀論だとか関係なくなってしまう。
どこかでフェイクニュースが生まれ、SNSが拡散し、それをまとめサイトが取り上げることであたかも「お墨付き」を与えたように振舞います。
するとさらにSNSで拡散するモチベーションを与えてしまう。
そうやって、多くの人がフェイクニュースをシェアすると「こんなに多くの人が信じているのだから、ウソのわけがないだろう」という心理を大衆に与えます。
結果、ウソがホント(のよう)になってしまうんですね。
この生態系に一般のユーザーが抗う術は、今のところ存在していないと思います。
ですから、適度にプラットフォームを避けることが必要です。
例えば、コロナウィルスについて知りたいのなら、SNSやニュースサイトをぶっとばしてNHKニュースWEBや東京都のホームページを見てみて下さい。
NHKニュースWEBでは、医師会の記者会見や都知事、県知事の記者会見を随時ライブ配信しています。
わたしは先日、東京都医師会の記者会見をライブ配信で見ましたが、ニュースでは報道されない悲痛な叫びを聞くことができました。
現場は本当にたいへんな状況だと理解することができます。
東京都のホームページを見ると、感染者一人ひとりの行動履歴や、一言一句文字おこしされた都知事の記者会見を読むことができます。
わたしはこれを読んで、テレワーク推進のために「東京ルール宣言企業」という事業を都が展開しているのだとはじめて知りました。
テレワークのための備品の購入費の助成や、多摩地方のシェアオフィスの無料利用などができるそうです。
このあたりはSNSはおろか、マスコミでも端折られている部分ではないでしょうか。
そうなんです。
そもそもインターネットは、中間をぶっとばして誰でも情報源に直接アクセスできることが魅力でした。
一昔前は「記者会見」なんてプロの記者やライターしか足を運べないモノでしたよね。
でも今ならネットで誰でも見れるわけです。
実は思ったよりも情報それ自体の透明性は増している。
ところが現代では、わたしたちユーザー自らその「中間」に埋没しようとしています。
ネットは情報を占有していたマスコミへのカウンターの側面が大きかった。
しかしマスコミ化したSNSをわたしたちは好んで使うようになりました。
SNSやニュースアプリがなかった頃のように、もう一度「アクセスする」という感覚を養わないといけないとダメなのかもしれません。
結局、SNSやYouTube、ニュースアプリの「流れてくる情報」を受動的に見ているだけでは、フェイクニュースに対抗するのは難しい。
それはどんなに偉そうなことを言っても、テレビのワイドショーをボーっと見ていることと変わりません。
なにか疑問に思ったら、自ら「情報をとりにいく姿勢」がフェイクニュースに抗うための必要なことでしょう。
ファクトチェックメディアを見てみる
そうは言っても、SNSやYouTubeは現代の主要な娯楽であり、なかなか辞められない人も多いはず。
「フェイクニュースっぽい」ものを見かけて、心が乱れそうになったらファクトチェックをしているメディアを参考にしてみるのも手です。
例えば、Buzzfeed Newsではずばりファクトチェックのコーナーがあります。
SNSで拡散された陰謀論の真偽を随時検証しています。
情報にお金を払う
「情報に直接アクセスしよう!」とは言うものの、そんな時間がないユーザーもいるからメディアが存在しているし、必要とされます。
そうなると現実的にはSNSではない違うメディアを見ることが、フェイクニュース対策として有用と言えるでしょう。
フェイクニュースを生み出す大きな原動力がお金でした。
フェイクニュースメディアは基本的にネット広告でマネタイズしているので、アクセス数が必要なんです。
アクセス数が必要だから、過激なニュースを掲載するというわけ。
メディアがネット広告を掲載することで、わたしたちユーザーはその情報を無料で取得することができます。
それは大きなメリットです。
しかし無料メディアはフェイクニュースを促進するデメリットがありました。
そこで対抗策として考えられるのが、わたしたちユーザーが情報にお金を支払うこと。
読者がお金を支払うことで、メディアは過剰にアクセスを求める力学から解放され、地に足の着いたニュースを作ることができるようになります。
またお金を支払っていれば、読者がメディアに対して正当なクレームを言う権利も生まれてきます。
これが無料メディアだと「は?じゃあ、見ないでください」と言われて終わりです。
欧米ではこういったSNSの反動として、有料ニュースレター(メールマガジン)が再評価されているそうです。
有料ニュースレターは、SNSと違って情報が有限なのもポイント。
SNSを使っていると「あれ?いつのまにかこんな時間?」なんてことはありませんか?
それは考えられないほどの大人数が、無限に情報を発信し続けているからです。
無節操に情報が氾濫している場所にずっといると、いつのまにか時間をささげ、心もそこに染まっていきます。
結果、本当に大切な現実社会の事柄をないがしろにしてしまったり。(それがいわゆるSNS依存)
ニュースレターは毎日、ないし週に1回など決まったペースで、決まった分量が届きます。
ですから、時間泥棒されることもありません。
もしかしたらニュースそれ自体は、SNSで無料でみれる情報かもしれない。
しかしニュースレターに課金することで、「信頼性があり」「ゴシップでない」情報を手に入れられる可能性が高まります。
つまりは「余計ものを見ない」ことに課金しているわけです。
無料かつ無限。
それは一見してわたしたちユーザーにとって、大きなメリットに思えます。
ところが今は積極的に避けるべき場所の条件になりました。
「無料で無限」は少なからず衆愚化していくメカニズムをもっています。
もちろん全部が全部だとは言いたくないですが。
ただその大きな原理を知っておくと、これから情報環境が変わっても(例えば新しいSNSが生まれても)、そのメディアが持っているバイアス(偏見)を見抜くのに役立ちます。
まとめ「フェイクニュース対策」
- プラットフォームをさける
- ファクトチェックメディアを参考にする
- 情報に課金する
以上、参考になったらうれしいです。